仮想通貨の税金を払わないとどうなる?税金の罰則を知っておこう

確定申告の期限に遅れるとどうなる?

仮想通貨で利益が出た場合、利益が出た年の翌年3月15日の申告期限までに確定申告が必要となる場合があります。確定申告により税金を納める期限も基本的に申告期限と同日(翌年3月15日)です。

税金は正しく期限内に申告して納税することが前提に考えられているため、うっかりミスや勘違いから納めた税金が少ないことを税務調査で指摘された場合や確定申告を行わずに税金を納めていない場合には様々なペナルティが用意されています。

そこで今回は、税金を適切に納めていない場合に発生するペナルティの内容について事例も踏まえながら解説します。

税金を適切に納めていないときの様々なペナルティ

税金を適切に納めていない場合のペナルティは、「延滞税」「加算税」とに大きく分けられます。それぞれの税によって課税される割合や性質が異なっていますので、以下でペナルティとしてかかる税の種類ごとに解説していきます。

延滞税(最大14.6%)

「延滞税」とは、確定申告が遅れたり税務調査によって払うべき税金が増えたときにかかる、税金の利子のようなもので最大年利は14.6%にもなります。

原則として申告期限(3月15日)の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

4種類の加算税

「加算税」とは、本来適切な申告・納税を行う義務を果たさなかった場合に与えらえる一種のペナルティのような性質をもちます。加算税には4種類あり、悪意のある申告漏れや脱税なら言わずもがなですが、うっかりミスやちょっとした勘違いから発生したものであっても加算税が追加でかかってくる可能性があります。

以下、加算税の4種類を順番に解説していきます。

過少申告加算税(最大15%)

過少申告加算税は申告期限内に確定申告をし、納める税金が少ない場合に課税されるペナルティです。所得税に対する税率は次のとおりです。

  • 税務調査の通知前(自主的に修正申告をした場合)

課税されない

  • 税務調査の通知~更正・決定の予知 (*1)前まで

5%  (10% *2)

  • 税務調査による更正・決定の予知以後

10%  (15% *3) 

(*1)更正・決定の予知とは、税務調査の指摘により納税額が増えることを予知すること

(*2)(*3)かっこ書きは、追加で発生した税額のうち、期限内に申告した税額と50万円とのいずれか多い金額を超える部分の金額について適用される税率

無申告加算税(最大30%)

無申告加算税は知識不足など税金をごまかす意図がなく確定申告を忘れていたり、申告期限よりも遅れて確定申告をしたりする場合に課税されるペナルティです。所得税に対する税率は追加納付する金額に応じて次のとおりです。

  • 税務調査の通知前(自主的に申告した場合)

5%

  • 税務調査の通知~更正・決定の予知前まで

10% (15% *1)

  • 税務調査による決定があった場合

15% (20% *2)

(*1)(*2)かっこ書きは納付すべき税額が50万円を超える場合には、その超える金額について適用される税率

  ※過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合には、
上記税率に+10%が課されるため、最大で30%の税率となります。

重加算税(最大50%)

重加算税は「隠ぺい仮装行為」により意図的にごまかした税金に対して課税されるペナルティであり、最もペナルティとして重いものとなっています。

隠ぺい仮装行為とは、仮想通貨の口座を他人名義にして所得隠しをしたり、明らかに利益が出ているのに確定申告をしなかったりする場合などが当てはまります。

  • 過少申告加算税または後述する不納付加算税の代わりに課税される場合

35%

  • 無申告加算税の代わりに課税される場合

40%

※かっこ書きは過去5年内に同様の指摘等を受けている場合における税率(加算税の加重措置)です。

※過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合には、
上記税率に+10%が課されるため、最大50%の税率となります。

不納付加算税(最大10%)

不納付加算税は給与の支払いなどで源泉所得税を天引きし、納付期限(給与天引きした月の翌月10日が原則)までに納付しない税金について、会社に対して課税するペナルティです。そのため、仮想通貨の取引をしている個人には直接関係ありませんが参考として源泉所得税に対する税率は次のとおりです。

  • 納付期限から一カ月以内に納付した場合

課税されない

  • 納付期限から遅れて税務署から指摘される前に自主納付する場合

5%

  • 納付していないことが税務署から指摘された場合

10% 

具体的なケース

上記のとおり、適切に確定申告・納付をしていない場合様々なペナルティが規定されています。

次に、具体的なケースを用いて、どのような場合にどのペナルティが課されるかについて、実際に見ていきます。

確定申告をし忘れて税金を納めていない場合

課される可能性があるペナルティ 

  • 延滞税&無申告加算税

または

  • 延滞税&重加算税 

延滞税と無申告加算税を課される可能性があります。

また、故意に確定申告を行っていないとみなされると、加算税の中で最もペナルティとして重い重加算税が課される可能性があります。

期限内に確定申告は行ったが、納めた所得税が少ないことを税務調査で指摘された場合

「申告期限内に確定申告をした場合」は、「申告期限から遅れて確定申告をした場合」とはペナルティの種類が異なります。具体的には、申告期限に遅れると無申告加算税(最大30%)が課されることがありますが、申告期限内に申告をしていると過少申告加算税(最大15%)が課されることになます。このように税率に大きな差が生じるため、期限内に確定申告を済ませるとメリットが生じる仕組みとなっています。

申告期限内に確定申告をした場合 

課される可能性があるペナルティ

  • 延滞税&過少申告加算税

または

  • 延滞税&重加算税 

延滞税と過少申告加算税を課される可能性があります。また、税務調査での指摘内容が故意に所得を隠蔽、仮装したものと認められた場合には、加算税の中で最もペナルティとして重い重加算税が課される可能性があります。

次に、実際の税率を用いてどれぐらいのペナルティが発生するか見てみます。

【事例】仮想通貨の利益に対する所得税1,000万円について確定申告をせずに納付しない場合

例として、仮想通貨で利益を得たにもかかわらず、確定申告をせずに所得税を納付していない場合、「ペナルティが最大どのぐらいかかるのか」を算定します。今回のケースでは故意に確定申告を行っていないものとして「偽りその他不正の行為」があった場合に該当し、延滞税と重加算税が課される前提としています。

(前提)

  • 2016年度(2016年1月1日~2016年12月31日)の仮想通貨の利益に対する所得税:1,000万円(他に取得は発生していないものとしています)
  • 本来の確定申告期限・納付期限:2017年3月15日
  • 申告書を提出した日(納期限):2018年6月29日
  • 納付した日:2018年6月29日

ペナルティ金額シミュレーション

重加算税の対象となる場合、申告期限の翌日(3月16日)から実際に納付する日までの期間に対して延滞税が課税されます。

①申告期限の翌日から納期限まで
[2017/3/16~2017/12/31:291日]
所得税額1,000万円×年2.7%(特例基準割合+1%)×291日÷365日=215,260円
[2018/1/1~2018/6/29:180日]
所得税額1,000万円×年2.6%(特例基準割合+1%)×180日÷365日=128,219円
②延滞税の合計額(100円未満切り捨て)

343,479円=215,260円+128,219円
(延滞税)343,400円

③延滞税の合計額(100円未満切り捨て)
1,053,588円=45,123円+567,123円+441,342円

(延滞税)1,053,500円

重加算税(100円未満切り捨て)
無申告に対する重加算税は所得税額の40%となります。

所得税額1,000万円×40%=4,000,000円

ペナルティ合計
(延滞税)343,400円+(重加算税)4,000,000円=4,343,400円

このように確定申告をせずに所得税1,000万円を納付しないことによって、ペナルティが430万円以上も発生します。

上記のようなペナルティを課されないようにするためにも、適切なタイミングで適正な額を確定申告し、納付することが必要となります。

また、法定期限内に確定申告を忘れたという場合でも、1日でも早く自主的に申告書を作成し提出・納付することによって課されるペナルティが少なくなります。

税務調査から修正申告の場合も

確定申告をしない場合のペナルティ、追加でかかる税の種類やその違いについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

仮想通貨の損益を計算することは複雑な一方で、確定申告を適正に行えなかった場合には通常の税金に加えペナルティも発生する可能性があるため、確定申告に向けて、早めの準備をしておきたいところです。

また、今回のような延滞税や加算税が課されるケースというのは一般的に税務調査により修正申告が必要になった場合に課されるケースが想定されます。仮想通貨の所得に対する税務調査も今後増えていくことが想定されるため、税務調査についても事前に対応しておきたいところです。

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