下げ相場で仮想通貨の「億り人」が18%しか減らなかった訳を解説

2019年5月30日付けで国税庁から2018年分確定申告状況が発表(報道発表資料)されました。仮想通貨の税務サポートを行なっているAerial Partners(エアリアル・パートナーズ)が解説します。

仮想通貨を含む雑所得の収入が1億円以上の人が271人

雑所得の収入金額が1億円以上ある方のうち、仮想通貨取引による収入があると判別できた方の人数が、2018年分の確定申告では271人であったことが判明しました。2017年分の確定申告では331人であったことが公表されており、前年比で18%ほど減少していることになります。


国税庁資料より抜粋)

ここで注意が必要なのが、この331人という人数が億り人の正確な人数とは必ずしも一致しないという点です。雑所得には仮想通貨にかかる所得を「含む」雑所得が1億円を超えている方の数なので、雑所得内での損益を合計することになります。

つまり、仮想通貨による損益だけではなく、アフィリエイト収入など他の雑所得に該当する収入も含めた金額が1億円を超える人数であるため、仮想通貨による利益だけで1億円を達成しているか否かは判断できません。単純に比較できる数字ではないためあくまで目安として把握するべきものといえるでしょう。

億り人がそれほど減っていない理由

仮想通貨FX、アービトラージによる利益

軟調だった2018年の相場にもかかわらず一定数の億り人が生じているひとつの要因として、FXアービトラージを行っている方が継続している、あるいは増えている可能性が考えられます。

価格変動の差益により利益を得るFXや、取引所間の仮想通貨価格の差額で利益を上げるアービトラージでは、市場の価格変動幅・価格乖離が大きければ、下降トレンドの相場であっても利益を上げることが可能です。

こうしたトレーダーの方を中心に、下落相場でも利益を得ることができたことが一つの要因として考えられるでしょう。

総平均法の罠

見逃しがちなもうひとつの要因として、多くの方が計算方法として総平均法を選択している可能性が考えられます。仮想通貨取引による損益計算方法として移動平均法と総平均法が存在しますが、計算方法によって所得金額が大きく変動することがあります

仮想通貨の確定申告で利用される「移動平均法」「総平均法」の違いとは?

2018.03.03

上記記事にも解説しているように、2017年のように1年を通じて相場が上昇トレンドの場合に総平均法を用いると、時価のあがった後半の期間に仮想通貨の購入することにより、売却時に利用する取得単価が上昇するために所得金額が少なくなることが多くなります。

2018年は2017年と反対に下降トレンドにあったため、損益額も反対の動きをする可能性があります。2017年には所得額が比較的低くなった総平均法を選択した人が多いため、2018年は体感の損益より大きい損益額が発生している可能性が考えられます。

また、実現利益として「億り人」であるものの、仮想通貨相場の下落によって実際の納税資金が確保できておらず、税金が払えなくて困っている人が発生してしまうという論点も存在します。

POINT

仮想通貨の損益計算ソフトを使って実現利益を確認しておくことで、あらかじめ納税に必要な金額を確認し、納税資金を確保することができます。仮想通貨の計算ソフトGtaxを利用し、普段から自分の実現利益を把握しながらトレードを行うことによって解決できるものと考えられます。

税務調査により発覚する可能性

2018年には271人が1億円以上の雑所得を申告していますが、実際には正確に仮想通貨による所得計算ができず申告を行っていない方が多く存在している可能性があります。

この中には、意図的に申告していない方ばかりではなく、実際に実現利益を計算してみると利益が大きく出ているにもかかわらず、相場下落によって大きな含み損を抱えることになり、納税義務があることを想定できていない方も多く存在すると考えられます。

過去にも多額の所得税申告漏れが税務調査で見つかったと日本経済新聞から報道されていますが、これからさらに税務調査が本格化することにより、あぶり出される可能性があるでしょう。

申告を期限内に行わなかった場合、様々なペナルティが課されることになります。

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