【解説】国税庁が仮想通貨等の「申告漏れ」への対策を強化

6月5日に発表された国税庁の資料によると、国税庁はインターネットを通じた経済活動を通じて発生した収入に対して適切に課税するために全国に「電子商取引専門チーム」を始めとしたプロジェクトチームを200人規模で編成することが明らかになりました。

仮想通貨の税務調査体制強化の背景

これらの背景としては、仮想通貨(暗号資産)やシェアリングエコノミーなど、インターネットを通じた経済活動で利益をあげているにも関わらず、無申告や過少申告による課税逃れが横行していることが背景にあります。

この国税庁の発表では、仮想通貨取引にて利益が発生している個人・法人も調査対象になることが明らかになっています。こうした利益に対しては、国税当局が事業者に対して報告を求める仕組みが整備され、報告義務を怠った場合には罰則規定も存在することが明らかになっています。

国税当局が仮想通貨取引所のユーザー情報を照会可能に

現在、国税当局は、東京都内の仮想通貨交換業者から顧客データの任意提出を受け、多額の利益を計上している可能性の高い法人・個人をリストアップし、その後に税務調査を行っています。こうした任意の照会では、取引を⾏う納税者の特定や情報の収集が困難なケースも存在してきている点を国税庁は指摘しています。
国税庁資料「暗号資産(仮想通貨)取引に対する調査事例」より抜粋)

これらの状況を受け、3月末に成立した改正国税通則法により、一定の条件が必要ではあるものの、国税当局は年間1,000万円超の所得がある場合など多額の利益を得た顧客の情報を事業者に対して照会を行い、報告を求めることが可能になります。
*令和2(2020)年1月1日以後に⾏う協⼒要請や報告の求めについて適⽤されます。

照会を受けた取引所などの事業者は、正当な理由なく情報提供を拒むことは認められておらず、情報提供を拒んだ場合は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課される可能性もあります。対象となる事業者は仮想通貨取引所のみならず、民泊等のシェアリングエコノミーやフリーマーケットアプリ等のプラットフォーマーも対象となっており、仮想通貨以外の所得についても含まれている点に注意が必要です。

なお、照会することができる条件は以下のとおりです。

以下のすべてを満たすこと

  • 他の⽅法による照会情報の収集が困難であること
  • 申告漏れの可能性が相当程度認められること(以下の①〜③のいずれかに該当する場合)
    1. 多額の所得(年間1,000万円超)を⽣じうる特定の取引の税務調査の結果、半数以上で当該所得等について申告漏れが認められた場合
    2. 特定の取引が違法な申告のために⽤いられるものと認められる場合
    3. 不合理な取引形態により違法⾏為を推認させる場合
  • 求める情報の範囲や回答期限の設定に当たっては、相手⽅の事務負担に十分に配慮すること

新設された照会手続によって、国税当局は顧客データに関して今までの任意提出に加えて、税法上の根拠をもって取引所に照会を行うことが可能になり、無申告者や過少申告者に対して効率的に税務調査を行うことができるようになります。今後はより顧客取引データ調査に力を入れていくものだと考えられます。

仮想通貨の税務調査体制強化に対して投資家ができること

国税庁の税務調査体制・手続きの強化について仮想通貨投資家ができることは、まずは税務調査の対象者にならないということです。国税当局が取引所から投資家の情報を照会できる仕組みづくりが進んでいますので、仮想通貨取引の正確な損益計算を行い、正しく確定申告を行うようにしましょう。

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