仮想通貨に関する税務申告の注意点(基礎編)

ビットコイン先物の米国での上場や、国内企業によるマイニング(採掘)事業への参入など、仮想通貨に関する話題が日々騒がれています。

そんな中、ビットコインの価格は12月8日に200万円を突破しその後下落したものの、本記事執筆時点(2018年1月9日)で直近1年間での上昇率は1700%を超えています。またイーサリアムやライトコインといった主なアルトコインの価格も軒並み上昇基調となっています。

仮想通貨で得た利益は確定申告が必要

このように仮想通貨の価格上昇が続くなかで、仮想通貨の売買で利益が出ている方が多いのではないでしょうか?利益が出ている場合は、給料以外に収入がない会社員であっても必ず確定申告を行い、利益に応じた所得税を納付する必要があります。

また購入した仮想通貨を日本円に戻していなくても、その仮想通貨で買い物をした、ほかの仮想通貨に換えた、といったケースでも所得税がかかってきます。

仮想通貨の売買で利益が出て喜んでいるのも束の間、申告漏れを税務署から指摘されて多額の延滞税を払わないといけなくなった・・・ということにならないように、この記事を読んでしっかりと申告、納付しましょう!

仮想通貨の所得の区分

所得税の計算においては事業所得や給与所得、譲渡所得といった様々な所得がありますが、仮想通貨の利用によって生じた損益は原則として雑所得に区分されます。

※仮想通貨を事業のために保有、決済手段として用いている場合は事業所得となりますが、該当者は少ないと推測されるため、この記事での説明は省略します。

仮想通貨により生じた雑所得がほかの所得と大きく違う点は次の通りです。

利益が大きいほど課される税金が大きくなる(累進課税)

仮想通貨の利用によって生じた利益は、ほかの所得と合算されて最高で45%(住民税を含めると55%)の所得税が課されます。一方、これに対して株式の譲渡による利益については、原則として一律20.315%の税率が課されることとなっています。

 損失が出た場合、ほかの利益と相殺できない(損益通算禁止)
事業所得などで利益が出ていて、仮想通貨取引で損失が発生した場合、この損失はほかの所得と相殺することはできません。

生じた損失は翌年の利益と相殺できない(損失の繰越控除禁止)

たとえば上場株式の売買によって生じた損失は3年繰り越すことができ、翌年以降に発生した利益から控除することができますが、仮想通貨取引により発生した損失は繰り越すことができません。

いかがでしょうか。株式と同じような感覚で仮想通貨の取引を行われている方も多いかもしれませんが、このように所得税の扱いは全く異なるものとなっています。次回は個別の取引について詳細を見ていきたいと思います。

仮想通貨に関する税務申告の注意点(個別事例編)

仮想通貨に関する税務申告の注意点(個別事例編)

2018.01.10