IRS(米国歳入庁)が新たなガイドラインを公表 ハードフォークなどの取り扱いが明確化

IRS(米国歳入庁)が2014年以来はじめて仮想通貨税務に関するガイドラインを公表しました。その内容の中でハードフォークについての税務上の取扱いなど、仮想通貨の税務上の取扱いが一部明確化されました。

IRSによる仮想通貨税務のガイドラインの内容

今回IRS(米国歳入庁)は公表したガイドラインの中で、これまで明確でなかった仮想通貨の税務上の取扱いの一部を明確化しました。

今回のガイドラインではQ&A形式で仮想通貨税務についていくつか解説されています。その中で主な内容を紹介していきます。

明確化された主な項目

  • ハードフォークによって仮想通貨を受け取った時、課税対象となる所得が発生し、納税義務が生まれる
  • 仮想通貨の取得価額はその通貨を取得するにあたり要した金額の総額となる(手数料などを含む)
  • 自分が利用している取引所・ウォレット間の仮想通貨の移動では、損益は発生しない
  • 仮想通貨の保有期間によって税務上の扱いが異なり、仮想通貨の取得から1年より長く保有すると税額が低くなる

これらの他にも、全部で仮想通貨税務に関する43の論点についてQ&A形式で解説しています。アメリカでは仮想通貨の売却などによる所得にはキャピタルゲイン税が発生し、仮想通貨を1年より長く保有すると税率が変化するという点が、日本とは大きくことなります(日本では仮想通貨による所得は雑所得に区分される)。

ハードフォークの取扱いについて厳しい意見も

今回公表されたガイドラインについて、ブロックチェーンシンクタンクのCoincenterがハードフォークの税務上の取扱いについて問題点を指摘しています。
もし、ハードフォークやエアドロップで仮想通貨を受け取った場合、課税対象となる所得が発生し、納税義務が生まれます。

そのため、第三者が仮想通貨投資家に対して通知することなくハードフォーク・エアドロップによって仮想通貨を付与した場合、受け取った人は気づかぬうちに所得が発生し、納税しなければならなくなるかもしれないという問題点が指摘されています。

日本の仮想通貨税制

日本では2017年の段階で国税庁より、様々なケースでの仮想通貨の税務上の取扱いが明確化されており、ハードフォークに関する税務上の取り扱いも解説されています。

ハードフォークによって新たに誕生した通貨にはその時点では取引相場が存在していないことから、課税対象となる所得は生じないとされています。

また、購入した仮想通貨の取得価額についても言及されており、仮想通貨の取得価額は、その支払対価に手数料等の付随費用を加算した額とされています。

自分が利用する取引所・ウォレット間での送金については、国税庁から見解は示されていません。しかし、自身の資産内で仮想通貨を移動しているのみで経済的な利益を獲得している訳ではないため、所得は発生しないと考えられます。

国税庁
仮想通貨に関する所得の計算方法等について
仮想通貨に関する税務上の取扱いについて

まとめ

今回のIRSによる仮想通貨税務に関する公表では、税務上の取扱いが明確になりましたが、ハードフォークの税務上の取扱いなど、問題点もいくつか残っています。

仮想通貨は2017年の価格高騰によって、急速に利用者が増えたため、アメリカを含め、多くの国で税制が整っていない状態です。また日本でも、仮想通貨税制の改正が進んでいるため、今後の動向に注意が必要です。

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