【2019年度 仮想通貨税制改正】仮想通貨の税金にかかる変更点を解説

所得税法の改正に伴って、2019年度の確定申告から、仮想通貨の税金や確定申告手続きに関しての取扱いが法定化されました。これに伴い、所得税の基本通達も改正され、実務上の取扱いも公表されました。
従来、国税庁のタックスアンサー等で示されていた取扱いが明確化されたかたちですが、一部新たな取扱いも含まれ、仮想通貨のトレードを行う際にも重要なポイントが含まれています。この記事では、所得税法による税制改正の主な変更点について解説していきます。

※この記事は、2019年7月18日時点の法令に基づき、仮想通貨(暗号資産)に関する税制についての一般的な説明を目的として作成しています。

仮想通貨の税金にまつわる主な改正内容

仮想通貨売却価額の5%を概算取得費とできる

仮想通貨の取得金額がわからない場合などに、取得価額を売却収入の100分の5として雑所得の金額を計算することが認められることとされました。

実際の取得原価が100分の5未満の仮想通貨であっても、取得価額を100分の5として申告することが認められることになります。

例えば、売却収入が1,000万円で取得費が不明な場合を考えてみましょう。
この取扱いを適用できれば、従来であれば0円を取得価額としていたところ、50万円を取得価額として計算することができます。

これにより1,000万円の売却収入の5%である50万円分の損益を圧縮することができ、税務上のメリットを受けられます。

この取扱いは、株式の譲渡の場合に定められていた内容について、仮想通貨でも同様の取扱いとすることが明確化されたものです。国税庁のタックスアンサーで詳細な取扱いが定められています。

株式の場合、譲渡した株式等が購入時期が古いなどの理由で取得費が分からない場合に、5%の概算取得費とすることが認められるとされています。

ハードフォークなど、従来取得価額0円で評価していたものについて、5%の概算取得費とすることが認められる可能性は、規定の文言からすると高いといえますが、まだ国税庁の詳細な方針は明らかになっていません

なお、「取得事由ごとに5%の判断を実施」するのか、「取得事由に関係なく一体として判断」するのかについて、現状明記がありません。計算方法の判断については、税務的なリスクを伴うことから、 仮想通貨に精通した税理士と相談しながら判断することを強くおすすめいたします。

今後国税庁から新たな情報が公表された場合には、またお知らせします。

計算方法の届け出が必要に

仮想通貨取引による所得を求めるための計算方法として、総平均法と移動平均法という方法がとれることが明確化されました。

選んだ計算方法については、納税地の税務署長に届け出を行うことが義務とされました。

従来、計算方法についての届け出は必要ありませんでしたが、2019年度からは「移動平均法」を選択したい場合は税務署長へ届け出が必要になります。

届け出を行わないと「総平均法」によるものとして扱われることになります。

特に注意が必要なのは、2018年度以前に移動平均法で計算し申告していた方です。
2019年度からは税務署に移動平均法による計算を行うことを自ら申告する必要があります。届出を行わない場合、総平均法による計算を行ったものとして扱われてしまうので注意しましょう。

届け出は、仮想通貨を取得した年度の確定申告の期日(2019年度分は2020年3月16日)までに行うことが求められています。確定申告が必要となる利益が出ていない場合でも、届出を行わないと翌年以降移動平均法による計算が行えなくなってしまう可能性がある点に注意しましょう。

届出の様式等についてはまだ発表されておりませんので、今後の国税庁からの発表に従って届出を行うことになります。

計算方法の変更

計算方法は、原則として3年間変更できないこととなりました。
一度選択してしまうと少なくとも3年間変更が税務署に認められないことになってしまいます。
2019年度の計算方法の選択が2021年度までの計算方法を決定することになるので、それぞれの計算方法の違いを加味した上で慎重に判断することが重要です。

3年間が経過した後に変更を行う場合には、個人の計算上の便宜などの理由による変更も比較的柔軟に認められることが考えられます。

仮想通貨の確定申告で利用される「移動平均法」「総平均法」の違いとは?

2018.03.03

相続、贈与等の計算方法

相続や贈与、遺贈により取得した仮想通貨の取得価額については、被相続人が事前に届け出をしていた計算方法で評価した金額となります。

相続時に自由に計算方法を選択することができるわけではなく、あらかじめ届出された計算方法により行うこととなる点に注意してください。

仮想通貨の信用取引

仮想通貨の信用取引による売買では、現物の仮想通貨の売買と区別して計算を行うことが明確化されました。

同じビットコインの取引でも、ビットコインの現物取引とビットコインの信用取引を行う場合とでは、別々に取得価額の計算を行うことになります。

取引所によっては、現物と信用取引とを取引履歴データから判別することが難しい場合があります。信用取引の履歴については、現物の取引履歴とは区別できるように管理する必要があります。

また、損益計算ソフトによっては、現物取引と信用取引とを区別せず計算している可能性があるため、ご注意ください。

仮想通貨の損益計算ソフトGtaxでは、現物取引と信用取引を区別して計算しているため、法改正に適応した計算を行うことが可能です。

まとめ

今回の改正で仮想通貨投資家が注目するべき点は次のとおりです。

  • 仮想通貨売却価額の5%を概算取得費とできる
    • 取得原価が100分の5未満の仮想通貨であっても、取得価額を売却収入の100分の5として申告することが認められる場合がある
  • 計算方法についての変更
    • 「移動平均法」を選択したい場合は税務署長へ届け出が必要
    • 計算方法は、原則として3年間変更できない
  • 相続、贈与等の計算方法
    • 相続や贈与、遺贈などで取得した仮想通貨の取得価額は、被相続人が事前に届け出をしていた計算方法で評価した金額となる
  • 仮想通貨信用取引
    • 仮想通貨の信用取引による売買では、現物の仮想通貨の売買と区別して計算を行うことが明確化された

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