【基本の「き」】仮想通貨・暗号資産の税金 ~雑所得とは~

価格変動の大きさを利用して大きな利益を上げることができる仮想通貨は現在人気の投資対象となっています。過去に株式やFXなど投資経験がある方だけでなく、TVやインターネットなどで大きく取り上げられたため、過去に投資経験のない人も多く参入しているところに特徴があります。こういった方々は過去に確定申告を行ったことがなく、税金面のことにも馴染みがないため、困っている人が増えています。今回は、ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産にかかる税金を確定申告も含めて徹底解説していきます。

※この記事は、2019年7月26日時点の法令に基づき、仮想通貨(暗号資産)に関する税制についての一般的な説明を目的として作成しています。

仮想通貨・暗号資産取引での所得には税金がかかり、確定申告が必要になる

仮想通貨投資をする人が増える中で、仮想通貨取引で利益が出ている方も多いのではないでしょうか?仮想通貨による所得には税金がかかります。仮想通貨による所得がある場合は、給料以外に収入がない会社員であっても必ず確定申告を行い、所得額に応じた所得税を納付する必要があります。

仮想通貨の売買で利益が出て喜んでいるのも束の間、申告漏れを税務署から指摘されて多額の延滞税を払わないといけなくなった・・・ということにならないように、この記事を読んでしっかりと申告、納付しましょう。

そもそも確定申告とは

仮想通貨取引で利益を出したことによって初めて確定申告をしなければならなくなったという方は多いのではないでしょうか?会社員や公務員の方は給与から収める予定の税金が源泉徴収として天引きされ、年末に年末調整を行うことで1年間に収めるべき金額が無意識のうちに収められている状況になっているので、副業など給与所得以外の所得がない限り、確定申告の必要はありません。適切な確定申告をするために、まずは確定申告とは何なのかを理解していきましょう。

確定申告

その年の1月1日から12月31日までの1年間に得た所得金額と所得税額を計算し、支払うべき税額がある場合には、その翌年の2月中旬から3月15日の期間に申告書を税務署に提出します。これを所得税の「確定申告」といいます。

確定申告が必要な人

会社員や公務員の方の多くは源泉徴収、年末調整などによって納税するので確定申告の必要はありません。しかし、以下に一つでも当てはまる人は確定申告が必要になります。

  1. 給与収入が年間2,000万円を超える人
  2. 給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人
  3. 給与を2か所以上からもらっている人
  4. 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人(初年度のみ確定申告が必要)
  5. 雑損控除、医療費控除、寄付控除の適用を受ける人(ただし、ワンストップ特別制度により、ふるさと納税の場合で寄付先が5自治体以内であれば確定申告は不要
  6. 配当控除の適用を受ける人
  7. 同族会社の役員などで、その同族会社からの給与以外に貸付金の利子や資産の賃貸料を受けている人

仮想通貨取引による所得が20万円を超えている場合はに該当するため、確定申告が必要となります。

※FXなどで損失があり、雑所得内で損益通算した時に雑所得の合計額が20万円以下になる場合は確定申告の必要はありません。

上で仮想通貨取引による所得が20万円を超えたら確定申告が必要になると述べましたが、ここでいう20万円というのは「仮想通貨取引所から出金して銀行に振り込まれた金額」というわけではありません。

仮想通貨取引では、通貨を売却した時、マイニングで通貨を取得したときなど、様々なタイミングで損益が発生します。仮想通貨取引をする中で発生した利益が20万円以上のときに確定申告が必要になる可能性があります。仮想通貨は取引によって所得が発生するポイントが異なるので注意が必要です。

こちらの記事で損益の発生タイミングについて細かく解説しています。

【仮想通貨・暗号資産の税金】損益発生タイミングについて

2019.07.05

ビットコインなどの仮想通貨にかかる税金の特徴

事業所得や給与所得、譲渡所得といった様々な所得区分がありますが、仮想通貨取引によって生じた所得は原則として雑所得に区分されます。

※仮想通貨を事業のために保有、決済手段として用いている場合は事業所得となりますが、この記事での説明は省略します。

それでは雑所得の特徴について解説していきます。

給与所得などの各種の所得金額の合計額に課税される(総合課税)

仮想通貨取引による所得は給与所得などの他の所得額と合計した金額に課税されます。例えば年間の給与所得が700万円、仮想通貨取引による所得が300万円の場合、2つの所得額を合計した1,000万円となり、この金額から控除額などを差し引いた課税所得に課税されます。

これに対し、FXによる所得や株式の譲渡による所得は申告分離課税になるため、他の所得金額と合計せずに分離して税額を計算します。

所得が大きいほど課される税金が大きくなる(累進課税)

仮想通貨取引による所得は、上で述べたように給与所得など他の所得との合計額に課税されます。さらに所得額が大きくなるほど税率が上がる累進課税で、最高で45%(住民税・復興特別所得税を含めると約55%)の所得税が課されます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 
(参考:国税庁 所得税の税率

所得税額の計算

例)課税所得*が500万円の場合の所得税の計算

5,000,000円(課税所得)× 20%(税率)ー427,500円(控除額)=572,500円(所得税額)

*課税所得:所得から給与額控除などの控除額が差し引かれた後の実際に税金がかけられる所得のこと

損失が出た場合、他の利益と相殺できない(損益通算禁止)

事業所得などで利益が出ていて、仮想通貨取引で損失が発生した場合、この損失は他の所得と相殺することはできません。給与所得を得ている会社員の方も、給与所得を雑所得の損失と相殺することはできません。

生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない(損失の繰越控除禁止)

たとえば上場株式の売買によって生じた損失は3年繰り越すことができ、翌年以降に発生した利益から控除することができますが、仮想通貨取引により発生した損失は翌年以降に繰り越すことができません。

ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産の税金のまとめ

  • 仮想通貨取引による所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になる可能性がある
  • 「取引所から出金して銀行に振り込まれた金額が20万円」ではないので注意

  • 仮想通貨取引による所得は原則として雑所得に分類される
  • 雑所得の特徴
    • 総合課税
      給与所得など各種の所得と合計した金額に課税される
    • 累進課税
      所得額が増えるほど税率が高くなる
    • 損益通算禁止
      損失が出た場合、他の利益と相殺できない
    • 損失の繰越控除禁止
      生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない

このように仮想通貨取引による所得は雑所得に分類され、所得額によっては株式投資やFXと比較して税率が高くなることがあります。しかし、税率が高い、ばれないだろうと思って確定申告を怠ると、税務署に申告漏れを指摘されてペナルティを受ける可能性があります。納税は国民の義務でもありますので、利益がある場合は必ず確定申告をしましょう。

こちらの記事で仮想通貨の確定申告のながれを解説しています。

【基本の「き」】仮想通貨・暗号資産の税金 ~確定申告のながれ~

2019.07.29

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