仮想通貨(暗号資産)にかかる税金と確定申告の基本|税理士がわかりやすく解説!【2022年最新】

価格変動の大きさを利用して大きな利益を上げることができる「仮想通貨(暗号資産)」。現在人気の投資対象で、過去に投資経験のない方も多く参入しています。

仮想通貨で利益を得た場合は確定申告が必要ですが、税金知識や確定申告のノウハウがなくて困っている人も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、ビットコインなどの仮想通貨にかかる税金の計算方法やシミュレーション、仮想通貨の税金を払えない場合の対策法などを、仮想通貨に強い税理士が徹底解説します。初めての方でもわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。

※この記事は、2021年11月時点の法令に基づき、仮想通貨(暗号資産)に関する税制についての一般的な説明を目的として作成されています。

監修税理士

仮想通貨(暗号資産)にかかる税金のポイント

    • 仮想通貨取引による所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になる可能性がある

※「取引所から出金して銀行に振り込まれた金額が20万円」ではないので注意

  • 仮想通貨取引による所得は原則として雑所得に分類される
  • 雑所得はどんな特徴がある?
    • 総合課税
      給与所得など各種の所得と合計した金額に対して課税される
    • 累進課税
      所得額が増えるほど税率が高くなる
    • 損益通算禁止
      損失が出た場合、他の利益と相殺できない
    • 損失の繰越控除禁止
      生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない

目次

仮想通貨(暗号資産)取引での所得には税金がかかり、確定申告が必要になる

仮想通貨投資をする人が増える中で、仮想通貨取引で利益が出ている方も多いのではないでしょうか?仮想通貨による「所得」には税金がかかります。

ところで「利益」と「所得」は違うのでしょうか?仮想通貨の所得は、次の式で計算できます。

仮想通貨の所得=仮想通貨による総収入額 ー 必要経費

仮想通貨の総収入額は、仮想通貨の売却益です。

そこから以下のような必要経費を差し引きます。

  • 仮想通貨の購入費用
  • 仮想通貨取引について学ぶための書籍代、セミナー代
  • 仮想通貨取引に関する入金手数料、出金手数料 など

仮想通貨による所得が一定額以上ある場合は、給料以外に収入がない会社員であっても必ず確定申告を行い、所得額に応じた所得税を納付する必要があります。
参照元URL:国税庁「仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)

仮想通貨の売買で利益が出て喜んでいるのも束の間、申告漏れを税務署から指摘されて多額の延滞税を払わないといけなくなった・・・ということにならないように、この記事を読んでしっかりと申告、納付しましょう。

そもそも確定申告とは

仮想通貨にかかる税金を説明する前に、まずは確定申告とは何なのかを説明していきます。すでに知っているという方は、飛ばしていただいて構いません。

確定申告とはその年の1月1日から12月31日までの1年間に得た所得金額と所得税額を計算し、支払うべき税額がある場合には、その翌年の2月中旬から3月15日の期間に申告書を税務署に提出することをいいます。

確定申告が必要な人

会社員や公務員の方の多くは源泉徴収、年末調整などによって納税するので確定申告の必要はありません。しかし、以下に一つでも当てはまる人は確定申告が必要になります。

  1. 給与収入が年間2,000万円を超える人
  2. 給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人
  3. 給与を2か所以上からもらっている人
  4. 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人(初年度のみ確定申告が必要)
  5. 雑損控除、医療費控除、寄付控除の適用を受ける人(ただし、ワンストップ特別制度により、ふるさと納税の場合で寄付先が5自治体以内であれば確定申告は不要
  6. 配当控除の適用を受ける人
  7. 同族会社の役員などで、その同族会社からの給与以外に貸付金の利子や資産の賃貸料を受けている人

一般の会社員で仮想通貨取引を行っている人は、上記の②を確認してみて下さい。
仮想通貨取引による所得が20万円を超えている場合はに該当するため、確定申告が必要となる可能性があります。

※海外FXによる所得やアフィリエイト報酬など、雑所得内で損益通算した時に雑所得の合計額が20万円以下になる場合は確定申告の必要はありません。

仮想通貨取引で課税対象となる所得が発生するタイミング

ここまで解説してきたように、仮想通貨取引を行う中で発生した所得が20万円を超える場合には確定申告が必要となる可能性があります。「取引による所得が20万円」というのは取引所から出金して振り込まれた日本円の金額ではありません。

では仮想通貨取引による所得はどのタイミングで発生するのでしょうか?

国税庁より公表されている「仮想通貨に関する税務上の取扱について」を参考に、所得が発生するタイミングを解説していきます。

仮想通貨を売却したとき

仮想通貨を売却した時点で所得が発生します。売却したときの価格と取得価額*との差額が所得額となります。

(仮想通貨の売却価額)ー(仮想通貨の1単位あたりの取得価額*) × 数量 = 所得額

*取得価額とは、仮想通貨を取得するのに要した金額のこと。手数料などの金額も含む。

仮想通貨で決済したとき

仮想通貨で商品・サービスを購入する際は、支払いしたタイミングで所得が発生します。これは仮想通貨を一度売却し、日本円に換金してから商品を購入するという取引と同じ扱いになるためです。そのため、支払いに利用した仮想通貨の時価が購入時よりも上がっている場合はその差額が所得となります。

「商品の価格」ー 「仮想通貨の1単位あたりの取得価額」× 数量=「所得額」

仮想通貨で他の仮想通貨を購入

ビットコインでイーサリアムを購入する場合、イーサリアムでアルトコインを購入する場合など、仮想通貨同士の交換であっても所得が発生する場合があります。この取引においても、「仮想通貨で決済したとき」と同じように、仮想通貨を一度売却して日本円に換金してから他の仮想通貨を購入するという取引と同じ扱いになります。

「購入する仮想通貨の時価」 ー「売却する仮想通貨の取得価額」=「所得額」

マイニング・ステーキング・レンディングで仮想通貨を取得したとき

(2021年12月23日更新)マイニングやステーキング報酬、レンディングでの利子として仮想通貨を取得した場合はそのタイミングで所得が発生します。

仮想通貨取引における所得が発生するタイミングを解説してきましたが、この他にも、ハードフォークで新たな通貨を取得したときなど、取引の種類によって所得が発生するタイミングが異なります。詳しくはこちらの記事をご確認ください。

【2022年最新】仮想通貨取引の課税対象となるタイミング8選

2020年9月23日

【シミュレーション】仮想通貨取引の税金はこう計算する!

仮想通貨取引で利益が出た年は、税金がかかるかどうか確定申告前に計算しておく必要があります。そこで具体的に税金額をシミュレーションしてみましょう。

1年間の仮想通貨の税金額は?計算方法は2種類

仮想通貨の年間利益の計算方法は、「総平均法」と「移動平均法」の2種類。このうちシンプルに計算でき、実際によく利用される総平均法について、その内容と計算例を紹介します。

総平均法による税金の計算方法

総平均法は、1年の間に購入した仮想通貨の金額と、売却した金額の差額から所得を計算する方法です。次の式で計算できます。

例)その年の6月に1BTC=50万円で、10月に1BTC=100万円で購入し、年末にすべて1BTC=100万円で売却したとき

売却金額(100万円×2=200万円) ー 購入金額(50万円+100万円=150万円) = 50万円

よって年間所得は50万円となる。

仮想通貨の税金計算は「自動計算ツール」を頼ると◎

ここまで計算方法を説明してきましたが、Gtaxのような損益計算ツールを使えば、暗号資産取引所から取得できる取引履歴をアップロードするだけで自動で計算を行うことが可能です。手計算が面倒な方や、計算が間違っていないか心配な方は、こうしたツールを活用するのがおすすめです。

ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)にかかる税金の特徴


所得税には事業所得や給与所得、譲渡所得といった様々な所得区分がありますが、仮想通貨取引によって生じた所得は原則として雑所得に区分されます。

※仮想通貨を事業のために保有、決済手段として用いている場合は事業所得となりますが、この記事での説明は省略します。

それでは雑所得の特徴について解説していきます。

給与所得などの各種の所得金額の合計額に課税される(総合課税)

仮想通貨取引による所得は給与所得などの他の所得額と合計した金額に課税されます。例えば年間の給与所得が700万円、仮想通貨取引による所得が300万円の場合、2つの所得額を合計した1,000万円となり、この金額から控除額などを差し引いた課税所得に課税されます。

これに対し、FXによる所得や株式の譲渡による所得は申告分離課税になるため、他の所得金額と合計せずに分離して税額を計算します。

所得が大きいほど課される税金が大きくなる(累進課税)

仮想通貨取引による所得は、上で述べたように給与所得など他の所得との合計額に課税されます。さらに所得額が大きくなるほど税率が上がる累進課税で、最高で45%(住民税・復興特別所得税を含めると約55%)の所得税が課されます。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え 4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(参考:国税庁 所得税の税率

所得税額の計算

例)課税所得*が500万円の場合の所得税の計算

5,000,000円(課税所得)× 20%(税率)ー427,500円(控除額)=572,500円(所得税額)

*課税所得:所得から給与額控除などの控除額が差し引かれた後の実際に税金がかけられる所得のこと

仮想通貨(暗号資産)取引で損失が出た場合、他の利益と相殺できない(損益通算禁止)

事業所得などで利益が出ていて、仮想通貨取引で損失が発生した場合、この損失は他の所得と相殺することはできません。給与所得を得ている会社員の方も、給与所得を雑所得の損失と相殺することはできません。

生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない(損失の繰越控除禁止)

たとえば上場株式の売買によって生じた損失は3年繰り越すことができ、翌年以降に発生した利益から控除することができますが、仮想通貨取引により発生した損失は翌年以降に繰り越すことができません。

アルトコインなど他の仮想通貨でも同様の税金がかかる

仮想通貨の税金は、アルトコインやビットコインなどその種類に問わず、上記のような税金がかかります。また「ビットコインでアルトコインを購入する」といった取引も課税対象となり、利益が発生する場合があるので注意してください。

コラム1:確定申告しなかった場合はバレる?

2019年10月に行われたJCTA(一般社団法人日本仮想通貨税務協会)主催の仮想通貨の確定申告セミナーにて、仮想通貨税務に特化した、たまらん坂税理士法人の坂本税理士が税務調査について語りました。

坂本税理士は、仮想通貨投資家の中には利益が出ているのに申告しない人が多いと述べた上で、「仮想通貨投資家には税務調査は利益の大きい人だけが対象になると思っているが、税務調査は国税局・税務署と大きさの違う組織が行っている。当然、上(利益の大きい人)には上の組織が行き、下(利益がそんなに出ていない人)には下の組織が行く。そのため、税務署は、小さな利益でもどんどん拾っていく。」とお話しました。

また、国税庁は2019年7月に電子商取引チームを全国に配置し、取引所などの業者に対して情報提供の要請ができるようになりました。無申告者や過少申告者に対して効率的に税務調査を行うことができるようになるので、申告していない人は早めに申告したほうがいいでしょう。

もし過去に申告しなかった場合、今からでも納税ができます。国税庁にて「過年度申告(期限後申告)」を行うのです。過年度申告の際は、ペナルティとして「延滞税」がかかります。この延滞税は期間が長くなるほど税率が高くなるので、早めに申告するといいでしょう。

参考:国税庁「確定申告を忘れたとき

【小さな利益でも対象に?】仮想通貨の税務調査の現場に立つ税理士が語るリアル

2019年10月31日

コラム2:仮想通貨の税金を申告しないとどうなる?

確定申告の税金を申告しなかった場合には、さまざまなペナルティがあります。

例えば先に説明した「延滞税」。最大14.6%とかなり高い税率で、さらにお金を払うよう指導されてしまいます。納める税金が少なかった場合には、最大15%の「過少申告加算税」の対象に。

このほかにもさまざまなペナルティがあります。追加支払いがないよう、正確に税金を計算しておくといいでしょう。

ビットコインなど仮想通貨の税金を払えないとどうなる?税金の罰則を知っておこう

2018年7月5日

コラム3:高すぎる税金が払えないときは?

仮想通貨で予想以上に大きな利益を出してしまったとき、うれしい気持ちもありながら、納税額が心配になるかもしれません。

税金額が高すぎて納税を先延ばしにすると、先に説明した延滞税などが発生してしまいます。さらに税務署から督促状が届き、最終的に財産を差し押さえられる可能性があるのです。

年末に税金額をGtaxなどで自動計算した結果、税金が払えないと分かったら、まず税務署に相談して「納税の猶予」を認めてもらいましょう。その際、他の仮想通貨の売却など「換価」を提案されることも考えられます。

すぐに税務署に行くのが怖い方は、仮想通貨に詳しい税理士に相談するのも手段のひとつです。1人で抱え込まず、専門家を頼るといいでしょう。

コラム4:仮想通貨の税金の年またぎでの計算方法は?

株式投資やFXなどでは、確定申告によって損失を繰越せる制度があります。

例えばFXで2021年に100万円の損失を出した際、その損失を確定申告しておきます。すると2022年に300万円の利益が出た場合、100万円の損失を相殺して、200万円の利益として申告することができるのです。

ところが仮想通貨では、こうした損失の繰り越しが認められていません。この点に注意しておきましょう。

平均取得単価は翌年に引き継がれる

仮想通貨を取得した際の「平均取得単価※」は、年度をまたぐ場合は引き継がれ、翌年の利益計算の際に使われます。

例えば2021年末時点において、1BTCの平均取得単価が300万円で、翌年1月にその1BTCを500万円で売った場合、500万円ー300万円=200万円の利益となります。

このようにその年の平均取得単価は税金の計算時に利用されますので、その年に利益が出ていない場合でも損益計算を行い、保有している通貨の平均取得単価を把握しておくことが重要です。

※平均取得単価:仮想通貨1枚あたりの原価のこと。

仮想通貨取引で利益が出たら確定申告を

仮想通貨取引による所得は、仮想通貨による利益から必要経費を差し引いて計算します。この所得は「雑所得」に分類され、所得額によっては株式投資やFXと比較して税率が高くなることがありますので、注意が必要です。

しかし「税率が高いから申告しないでおこう」「どうせ申告しなくてもバレないだろう」と思って確定申告を怠ると、税務署に申告漏れを指摘されてペナルティを受ける可能性があります。

納税は国民の義務でもありますので、利益がある場合は必ず確定申告をしましょう。

こちらの記事で仮想通貨の確定申告のながれを解説しています。

【基本の「き」】仮想通貨・暗号資産の税金 ~確定申告のながれ~

2020年8月6日

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